こんばんは。仙台フィルオーボエの西沢澄博です。今日からは私西沢澄博の「オーボエ吹きのつぶやき セカンドシーズン!」をお送りします。

今日のテーマは、「旅する音楽家」。音楽家と旅にまつわるお話をしていきたいと思います!

僕ら音楽家は「旅芸人」的なところもあり、全国各地津々浦々、あらゆるところに音楽を配達するのも、お仕事だったりします。

文化庁の支援により、全国の学校訪問コンサートという事業があるんですよね。
いつも僕らが活動するエリアは、東北地方が多いですけれど、この事業は、違う土地のオーケストラが違う土地の学校を訪問することが多いですね。
いまはアウトリーチという学校や施設を訪問して、音楽を届けるコンサートがありますがオーケストラの場合は、大勢でお伺いしますので、大抵は、「体育館」でのコンサートが多いです。

ホールでの演奏も違ってやっぱり「響き」っていうものには一番敏感になるかもしれません。僕たちの本拠地である日立システムズホール仙台のコンサートホールは、比較的残響の多いホールなので、それに合わせた響きの作り方をしています。

リハーサルから本番までを同じ響きの中で作れるっていうのはオーケストラとしては恵まれています。
全国のオーケストラによっては、「練習場」が別なところもあります。オケとホールの関係っていうのは、音作りにも大いに影響を与えるし、とても密接なもの。
ホールは、オーケストラにとっての「家」って考えてもいいんじゃないかなあと思いますね。

たとえば、震災直後に、オーケストラアンサンブル金沢との共演で演奏させて頂いた石川県立音楽堂や、東京のサントリーホール、東京オペラシティなど、それらも素晴らしいホールでしたけれども、なんていうかな、絵を描く時の画用紙の違い、みたいなのはありますね。キャンバスといってもいいかな。小さい紙に、極細のペンで描く絵と、大きなキャンバスに大きな筆で描くのと、違いますよね。
それによって、音の作り方が違ってくる、もちろん、楽器のセッティングの違いだけでも変わって来ることなので、自分の出している音を聴きつつ、周りの出す音の聴こえ方の変化についても、凄く神経をつかうかなあ。
しかも、演奏旅行の時とかだと、ホールでリハーサル出来る時間は限られているわけで…
特に音の処理について。同じ楽譜の同じ音を演奏するわけなんですけれども、残響が多いホールではもともとの音を少し短めに吹いてみるとか、逆に残響が少な目だなあと思うときには
音の切れ目を丁寧にしないと目立っちゃうなあとか、そういう微調整をしておきます。
日本の国内には、サントリーホールのような「ワインヤード型」っていう、ブドウ畑みたいに客席が広がるホールもあれば「シューボックス型」といわれる真四角のホールもある。
一方反響版が組まれた多目的なホールもありますからね。いろんな音響の中でいつも一番いい状態でいられるように・・・って想いはありますね。

そうですね。最高の演奏のためには、一番いい状態を調えたいっていう気持ちはあるでしょうね。

しかし先月末、名取の小学校にお邪魔してアウトリーチコンサートを色々やって来たんですけれど、その中で、とある学校の図工室でチェンバロとヴァイオリンとオーボエで演奏した時、なんだかとっても音響がよくてまるで宮廷で演奏しているみたいな気分になりましたね。だから、演奏する場所によって自分をアジャストしていくっていうのも、楽しみのひとつかもしれません。どんな場所でも、いい状態で演奏したいですからねー。


クラシック音楽の中で「元祖旅芸人」といえば、誰だと思います?
実はね、モーツァルトなんです。

モーツァルトはオーストリアのザルツブルク生まれでしたけれど、ドイツやフランスにも行った記録がありますからね。道だってそんなに舗装されていない中で、凄い距離を巡っている資料もあるんですよ。
えー。すごいですね。だから元祖旅芸人!

名曲の影に名手あり・・・とは言いますけど、モーツァルトがヨーロッパのあちこちでいろんな演奏家に出会ったことで、今も演奏される名曲が誕生したわけですね。
それまでは、宮廷にいる楽士やアマチュアの王様のために書いていたものも、遠くまで名の轟いてくる名手がいたりして、その人のために曲を書くことで、技巧的にも華やかな曲がうまれるようになったわけですから、音楽家と旅って切っても切れない関係にありますね。
もうひとつ「元祖鉄ちゃん」の作曲家も登場します。さて、それは誰でしょう!

元祖鉄ちゃん作曲家はドヴォルザークでした。
ドヴォルザークは本当に鉄道に興味があって自分の家の近くに走っていた鉄道の枕木の音に異常が発生した時には、音で気がついて、故障を見つけた!と言われるほどのマニアだったとか。そしてあまりに好きすぎて、自分の作品に、そういう鉄道の動くテンポの変化とか音リズムを入れちゃってる。弦楽四重奏曲の「アメリカ」とかもちょっと鉄道っぽかったりしていますよ。

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